病気の中には、親から子供へと受け継がれる遺伝子の異常により起因される「遺伝性疾患」というものがあります。疾患が引き起こされる要因によって「単一遺伝子疾患」、「多因子疾患」、「染色体異常症」に分類されています。
単一遺伝子疾患とは、一つの遺伝子の違いにより引き起こされる疾患のことを指します。先天性代謝異常や先天性内分泌疾患、多発性腫瘍、原発性免疫不全症候群などが当てはまります。父母からの受け継いだ欠陥遺伝子の優劣などによって、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖性優性遺伝、X連鎖性劣性遺伝の4つのタイプがあります
多因子疾患(アルツハイマー型認知症・高血圧・糖尿病・ガン・肥満・脳梗塞など)は複数の遺伝子が関係していたり生活習慣や事故などの後天的要因として含まれた疾患です。親類に疾患が現れる人が多くても、自分にも必ず発病するとは限りません。予防的な生活を送ることで、発症を抑えることになります。
染色体異常症(ダウン症・パトウ症・エドワーズ症・ターナー症など)は常染色体や性染色体が過剰であったり不足したり、種類の違う染色体が結合しておこる疾患です。親からの遺伝だけではなく遺伝子の突然変異によっておこる場合があり、妊婦検診や出生前診断という方法で発見されることがあります。
遺伝性疾患は奇形がない場合、生まれてすぐ見た目で判断しにくい疾患です。近年ではヒトゲノムの解析が進み、手軽な遺伝子検査キットなども多くありますが、診断の精度や結果に対してのフォロー体制に信頼がおける医療機関を利用することをお勧めします。